匿名係長のライスワーク

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住友化学の株価はどうなる?下落の原因と今後の見通しを考察

住友化学の株価が下落中なので原因と今後について考察してみました。

 

住友化学とは

住友化学は、住友グループの大手総合化学メーカーです。国内化学メーカーとしては三菱ケミカルグループに次いで第2位で、日経平均株価の構成銘柄の一つです。工業用化学品・医薬・環境エネルギー・農業畜産など幅広い領域で事業を行っており、家庭用・園芸用殺虫剤原料のシェアは世界トップクラスです。また、車載向けリチウムイオン電池のセパレーターは世界でも首位で、石油化学事業も海外に注力しています。住友化学は1913年に創業し、1925年に設立されました。現在は東京と大阪に本社を置き、203社の連結子会社を持っています。住友化学の企業理念は「人間中心」であり、サステナビリティ推進基本原則や企業行動憲章などを策定しています。

 

しかし、住友化学の株価は2023年に入ってから下落傾向にあります。2023年12月13日の終値は366円で、年初来安値を更新しました。株価は年初から約30%下落し、時価総額は約1兆円にまで減少しました。住友化学の株価が下落した原因は、主に以下の3つです。

 

  •  2023年4〜6月期の業績悪化を嫌気した売りが膨らんだこと。連結最終赤字は3311億円となり、前年同期比で約2倍に拡大しました。石油化学事業や医薬品事業が低迷し、需要減や原料高騰などの影響を受けました。

 

  • ディスプレイ部材の需要が急落したこと。PCやスマホなどに使われるディスプレイ部材は、2020年以降巣ごもり需要で好調でしたが、2022年に入って一巡し、販売量や価格が下落しました。

 

  • 医薬品事業の特許権減損損失を計上したこと。子会社の住友ファーマが販売するパーキンソン病治療薬「キンモビ」は、米国で特許切れで販売が落ち込みました。住友ファーマは減損損失を544億円計上しました。

 

以上のように、住友化学は2023年度において多くの課題に直面しており、株価にも影響を与えています。しかし、住友化学は全く見込みがないというわけではありません。住友化学は、2023年4〜9月期の連結最終損益が7600億円の最終赤字になったことを発表しましたが、これは前期比で約60%の改善となっています。中国経済の減速や新型コロナウイルスの影響で、石油化学や医薬品などの主力事業が低迷しましたが、ディスプレー向けフィルムなどの情報電子化学事業や電池部材や機能性樹脂などのエネルギー・機能材料事業は好調でした。また、24年3月期通期の業績予想は精査中としており、売上収益は前期比微増、最終利益は43%増となっています。

 

アナリスト判断(コンセンサス)は中立であり、平均目標株価は411円です。株価はあと12.41%上昇すると予想されています。住友化学は、石油化学事業の海外展開や医薬品事業の新薬開発など、中長期的な成長戦略を推進しています。また、環境・社会・経済の3つの側面からサステナビリティに取り組んでおり、ESG投資の観点からも注目されています。

 

まとめ

住友化学の株価は、2023年度の業績悪化や特許切れなどのネガティブな要因により下落しましたが、一部の事業は好調であり、今後の業績回復や成長戦略に期待が持てます。株価は中立的な評価を受けており、目標株価は現在の株価よりも高く設定されています。住友化学は、化学メーカーとしての強みを生かしながら、サステナビリティにも配慮した事業展開を行っており、長期的な視点から見ると魅力的な銘柄と言えるでしょう。